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2015
02.23

日本アグロエコロジー会議第一回勉強会

Category: DAIRY
報告が遅くなり、申し訳ありません。

先日2月11日、明治学院大学白金キャンパスにて開催された『日本アグロエコロジー会議第一回勉強会~食と農・地域と暮らしが分母となる社会を目指して~』に参加して来ました。

主催は「有機農業の明日を語る会」で、これは2013年12月に星寛治さん、鶴巻義夫さん、金子美登さんの呼びかけでスタートし、1年余り話し合いが重ねられてきたものです。その流れで、農業の枠を超え、「アグロエコロジー」というキーワードで世界とつながっていこうとする試みとして、今回この勉強会が開催されました。

午前10時から午後5時まで、たいへんすばらしい充実した内容で、すべて伝えきることはできませんが、印象と感想を自分なりにまとめてみました。

たいへん長くなりますが、お時間のある時にお読みください。

事務局・せ

***

全国有機農業推進協議会・事務局長の下山久信さんのあいさつの後、第1部「アグロエコロジーへのパラダイムシフト~各国事例から学ぶその意義」が始まり、明治学院大学教授・辻信一さんのイントロダクションに続いてキューバ農業評論家の吉田太朗さんからお話がありました。

モンサントなどの巨大企業を中心に「アグリビジネス」としての大規模農業が進められてきましたが、その一方で、農学として1930年代ロシアで始まった「アグロエコロジー」は、農法にとどまらず、環境運動・社会運動として大きな広がりを持ちました。

吉田さんは「百姓農業」という言葉を使い、世界的な「再百姓化」が進められていると語りました。

昨年11月に出席したシンポジウム『国際家族農業年から始まる小規模家族農業の道』でも同じようなデータが出されていましたが、熱量として数値化した場合、小規模・家族農業の場合、1カロリー投入すれば、10カロリー生産されます。しかし、農薬や化学肥料を使う近代農業では、1カロリー投入しても10分の1から20分の1カロリーしか生産できないそうです。同一面積当たりの生産性は、家族農業・百姓農業の方が100倍も高いのです。

しかし、ここに「労働生産性」という概念を入れると、小規模農業は効率がよくないという評価になってしまいます。機械化して石油を大量に使う大規模農業は広大な農地を少ない労働力で管理できますが、設備や資材にお金がかかり、収入も天候や市場に大きく影響されるので、環境によくないだけでなく実は経済的にもたいへん不安定なものです。省力化すればするほど雇用が無くなり、コミュニティーは維持できなくなります。

利益は小さくても大きな安心を得られる「小利大安」が、百姓農業にはあります。
何より大切なのは、そこに「農のよろこび」があるということです。

キューバでは経済封鎖により、人力に頼る有機農業に移行せざるを得なかった経緯がありますが、そのおかげで今、キューバの田んぼにはトキ(?)が飛来しているそうです。

続いて、オルタ―トレードジャパンの印錀智哉さんより南米ブラジルの事例の報告がありました。ブラジルでも、有機農業と社会変革をひとつにしたオルタナティブ・アグリカルチャーとして、ミゲル・アルティエリの提唱するアグロエコロジーが進められてきました。

ブラジルでは、「緑の革命」で農薬や化学肥料、F1の種子を使った農家が借金まみれになり、経営が成り立たなくなってしまったとのことで、行政としても2000年にはアグロエコロジーを選択するという決定がなされたそうです。

しかし一方でアグリビジネス側の攻勢も激しく、1998年に禁止された遺伝子組み換え作物も、2005年には合法化されます。

ブラジルでは1996年の遺伝子組み換え作物導入以来、慢性疾患、自己免疫疾患、出生異常が増加しているそうですが、最近では従来の除草剤が効かない「ラウンドアップ耐性スーパー雑草」が出現し、今後、ベトナム戦争で用いられた枯葉剤と同じ成分の強力な農薬が作られるとのことです。

米国では既に2013年~14年に、残留農薬基準が緩和されたそうですが、国内法より優先されるTPPが締結されれば、日本もこの流れには抗えないかもしれません。

このような動きに対して、農民や学者や、環境問題・社会問題を解決しようとする人たちの活動が、エコロジーの原則を農業に適用した「アグロエコロジー」に集約し、「食料主権」を自分たちの手に取り戻そうとしています。

この世界的な流れは国連としても認めざるを得ず、日本政府も「賛同」を表明しているのだそうです。

続いて、カリフォルニア大学サンタクルーズ校でアグリエコロジーを学び、日米両国でワークショップなどの活動をしているソーヤー海さんが登壇。

モンサントなどのアグリビジネスが、人類や生態系を危うくするような実験をして「いのちのコントロール」をしようとしているのに対して、アグリエコロジーは「いのちの社会運動」であると定義されました。

アメリカでは、良心的な企業が巨大企業にいつの間にか吸収され、今まで通り信頼して同じラベルの製品を買っていると、知らないうちに中身が変わっているというようなことが起こっているそうです。

すべてが経済中心、利益中心のため、オーガニックが成立しにくくなっている。

そんな中、すべてはつながっているという「システム思考」の大切さを強調されていました。経済・社会・生態系は並立するものではなく、生態系の中に社会が含まれ、社会の中に経済が含まれている。そして、特に政治を動かすことが大切で、地域で種を蒔き、コミュニティーティをつくっていく「ローカルの実践」が政治運動であり、日本中、世界中でその運動を起こしていこうと呼びかけました。

続いてフランスの事例を紹介したのは、東京大学研究生のルロン・ペネロープさんです。

フランスではアルジェリア移民の学者・ピエールラビさんを中心にアグロエコロジーが進められ、Colibris(コリブリ)という団体の活動に7万人が参加しているそうです。Colibrisというのはハチドリのことで、アメリカ先住民の民話「ハチドリのひとしずく」にちなんでいます。

ルロンさんは埼玉県小川町の霜里農場で研修していた経験もあり、アグロエコロジーの「自然の循環を尊重すること」「脱資本主義・脱商品化」「自立・自給」「協同・共生」「農のよろこび・生きがい」という考え方が、「天地、機有り」という日本の有機農業の原点に、既にすべて存在していた、というようなことを言われました。

有機農業も、この原点を忘れないものもあれば、「アグリビジネス」へ限りなく近づいていくものもあります。

モンサントがオーガニック野菜をつくる(?)という話もありますが、グローバル企業にとっては、有機認証されてグローバルに流通するものは利益になるということです。

グローバル経済に巻き込まれないためには、ローカル化して顔の見える関係をつくっていくしかないし、そのようなコミュニティーが同時多発的にボコボコできているというのが、世界の現状のようです。

しかし、マスメディアはそのような文脈で情報を流すことはありません。だからこういう情報を共有化するということが大切なのだと思います。

質疑応答では、グリーン愛すメンバーの小林さんが「政治を動かすには具体的に何をすればいいか」ということをソーヤー海さんに質問しました。「それは一人一人がそれぞれに考えることだが…一票を投じるというだけではインパクトが少ない。自分たちが政治家になるということも含め、どこにレバレッジ(少ない力で大きな力が出せるテコの部分)があるかを見極め、実践すること」というのがソーヤー海さんの答えでした。「このような世界の流れに対して、日本ではなぜ連携が進まないのか」という質問には、辻さんは「日本には国際的な情報が無い。自然農法の福岡正信さんのことを知らないのは日本人だけ」と言っていました。

お昼休みをはさみ、午後は第2部「日本にアグロエコロジーを広げるための実践のヒントやアイデア等の情報交換」が始まりました。

ソーヤー海さんと辻さんが鈴(りん)を鳴らして、日常をリセットし、意識を呼吸に向けて自然とのつながりを感じることの大切さを語りました。

農的に生きること、理念と日常を結びつけること、エコロジカルに生きること、農を中心としたコミュニティーの一員になること、生態系の一部として自分に何ができるか…すべてを自分自身のこととして考えることが大切…。

マハトマ・ガンジーのBe the change. という言葉が紹介されました。「(他を変えたり変わることを期待するのではなく)あなたが望むその【変化】に、あなた自身がなりなさい」

続いてトークセッション1「世界と連帯するために~市民社会をアグロエコロジーに」がアジア太平洋資料センターの内田聖子さんの進行で、国連生物多様性の10年ネットワークの坂田昌子さん、日本エコツーリズムセンターの森高一さん、オックスファムジャパンの森下麻衣子さん、パーマカルチャーセンタージャパンの設楽清和さんのメンバーで行われました。

現在1日に100種の生物が絶滅しているそうですが、種がひとつ消えることの重大性がよくわかっていない…。日本では市民社会が弱く、国内の問題は何か、どこに働きかければよいのかよくわからない。坂田さんは、ふつうの市民がどんどん国際会議にも出席してみればいい、と提案されていました。

設楽さんは自らの暮らしをスライドで紹介し、情報が少ないという意見に対しては、民藝運動の言葉を引いて「自然の中にある情報を自分で取りに行き、読み取ること」の大切さを語られました。

続いて「日本におけるアグリエコロジーの実践~農村文化・伝統を受け継ぐ未来~」と題して、林良樹さんが取り組む千葉県鴨川市の事例が紹介されました。

機械の入らない、見捨てられていた棚田が今ではここの宝物になり、田植えのイベントには都会から2千人もの人が訪れるそうです。農は産業ではなく文化であり、昔の農法を知る古老は「村の図書館」として尊敬されています。

「ギターを弾くように、歌をうたうように米を作る」という、楽しさを大切にした農の在り方は世界の若者を惹きつけ、アメリカ、カナダ、イギリス、インドネシアなどたくさんの国から若者が訪れます。

戦争中に米兵と撃ち合ったある古老は、「この歳になってアメリカの若者と米作りを一緒にするとは…長生きして良かった」と感激していたそうです。

「ここでは食べられないから、都会へ出て行った方がいい」と若者に語り、自信を失っていた老人たちは、今では90歳を過ぎても「これからここがどうなるか楽しみだ。もっと長生きして見届けたい」と言っているそうです。

地球に調和という絵を描く「地球芸術家」の林さんは、「安房マネー」という地域通貨をつくり、無印良品や寺田本家など企業とも連携しながら、鴨川の里山で様々な活動をされています。

そして、セッション2「パラダイムをシフトするために~有機農業をアグロエコロジーに」が始まりました。司会は元大手広告代理店に勤めていた小原壮太郎さん。登壇者はトランジション浜松の大村淳さん、イマジン自給道場の柿田祥誉さん、空水ビオファームの岡本よりたかさん、アースディマーケットの冨山普さん。

特に柿田さんや大村さんなど、若い人がとても楽しそうにアグロエコロジー的な暮らしを実践されている様子がうれしく、希望を持ちました。

百姓というのは、もともと「100の仕事で生きていける人」のことで、自立した暮らしができる人のことだと思います。

大正時代に3万2千もあった職業の数が、現在は約3千。

効率化・専門化が進み、「人間ができること」「自分でできること」が激減してしまいました。

何でもお金で済ませる便利さと引き換えに、言いようのない「不安」が蔓延してしまったのかもしれません。

岡本よりたかさんは、「兼業でも家庭菜園でもベランダでもプランターでも何でもいいから、とにかくやってみること」を勧めていました。

旧ソ連が崩壊したとき、市民を救ったのは、自給作物の8割をダーチャという近郊の家庭菜園で賄えていたからです。

生産者と消費者をつなぐマーケティングや宣伝も含め、若い人たちがほんとうに楽しそうに活動しています。

最期の講演は、山形から新幹線で駆け付けた菅野芳秀さんの「地域が目指すべきビジョン~置賜自給圏構想~」でした。

グリーン愛すでは市町村合併の壁に阻まれて、残念ながら実現できませんでしたが、菅野さんは山形県長井市の全世帯・生ゴミリサイクルシステム「レインボープラン」を実現させた人です。

置賜自給圏構想は、2012年に農業関連誌に載った菅野さんの30枚ほどの論文が出発点で、今では自治体、農業団体、商店街、温泉組合や地元の国会議員も巻き込み、300人のキーパーソンを中心に8つの分科会に分かれて活動しています。
食と農、エネルギーの自給、公教育に農業の時間を取り入れるなど、「市民皆農」を目指し、地元に産業や雇用を生み出して、「圏外に依存しない」「圏外に富が流出しない」仕組みを3市5町23万人の置賜地方に創り出すことが目標です。

深刻な地方の問題を目の前にして、「誰が悪いと言ってもしょうがない。オレが対案を出す」と言って自給圏構想をけん引してきた菅野さんは、自らが置賜の農家で、身長190センチを超える迫力の人でした。

総評と閉会のあいさつで印象に残ったのは、
「2009年に株式会社が農業に参入できるようになり、今年2015年の3月頃にはまた農地法が変わって、多国籍企業が日本で農地を取得することが出来るようになる」ということや、「遺伝子組み換えからさらに進み、生物そのものを合成してつくってしまおうという【合成生物】のことが海外では話題になっている。これを規制する枠組みはまだない」という不安な意見でした。

そして辻さんのことば。
「自給ということにはあまりとらわれなくてもいい。インディオの知恵は、自給ではなく、自分のつくったものをぜんぶ人に与えてしまうことだ。与えた分だけ、何故か人から受け取ることになる」

この日どうしても出席できなかった金子美登さんの代りに、奥様が「日本アグロエコロジー宣言」を代読し、閉会となりました。

あらためて自分がどこに立っているのか、自分がしているのはどういうことか、自覚する一日となりました。

最後に、以前もご紹介したことがありましたが、この日、ルロン・エネロープさんが美しい声で朗読した『ハチドリのひとしずく』を転載します。

ある時、アマゾンの森が燃えていた。

大きくて強い動物たちは、われさきにと逃げていった。
しかしクリキンディ(金の鳥)と呼ばれる小さいハチドリだけが、そこに残った。

そして、口ばしに1滴ずつ水を含んでは、飛んでいって燃えている森の上に落とした。
また戻ってきては、水滴を持ってゆく。
それを繰り返すクリキンディを見て、大きくて強い動物たちは、馬鹿にして笑った。

「そんなことをして、森の火が消えるとでも思っているのか」。

クリキンディはこう答えた。

「私は、私にできることをしているの」。

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2015
02.09

2月定例会ご報告

Category: DAIRY
1.今月のイオン黄色いレシート運動
11日午後4時から5時、今門さんと宮明さんに立っていただきます。
いつもありがとうございます。

2.社教団体登録手続き
27年度予算案については、例年規模で作成して提出します。

3.助成金申請
1月15日応募した東京ガス環境おうえん基金について
作成書類を廻して簡単に説明させていただきました。

4.事業報告書提出
市への役員変更届、定款変更届等の提出に関して、事務手続きの説明と
必要書類への署名捺印をお願いしました。書類が揃ったら、小川代表にご連絡いたします。

5.アグリエコロジー 勉強会
2月11日明治学院大学白金キャンパスで開催される「日本アグロエコロジー会議」
第1回勉強会に参加します。昨年参加した「有機農業の明日を語る会」から始まった議論が、
有機農業の枠を超え、いろんな立場から環境問題、社会問題、食と農、食の安全、
食と健康のことを考える「アグロエコロジー」という切り口で、世界的な潮流につながっていこうとするものです。

6.味噌つくりW.S
今門さんにチラシを作って準備していただきました。
3月1日開催ですが、既に30名近く応募者がありますので、
インターネット等での宣伝はしないことになりました。

7.環境市民委員会 委員選出
継続審議です。市の行政との関わりや、古河のゴミ処理事情、ガス化溶融炉のことなど、
鈴木さんからお話がありました。また、生ごみたい肥化協会の活動は一時休止
していましたが、近く再開されるとのことです。

次回定例会は、会場等の都合により、4月5日(日)の予定です。
確定しましたら、またご連絡します。

(事務局・せ)



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2015
02.06

2月定例会ご案内

Category: INFOMATION
8日日曜日午前9時30分~
東公民館会議室

議題

1.今月のイオン黄色いレシート運動
2.社教団体登録手続き
3.助成金申請
4.事業報告書提出
5.アグリエコロジー 勉強会
6.味噌つくりW.S
7.環境市民委員会 委員選出

よろしくお願いいたします。

(事務局)


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